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2004年10月25日
■ディーリングルームより
久米さんがニュースステーションを始めた頃だったでしょうか、良くプライムタイムのニュース番組ではマーケット情報のコーナーを銀行のディーリングルームから中継していました。(最初の頃は私、まだ学生でしたけどね) 私が就職活動をした年の前後はまさにバブル景気真っ只中だったのですが、この頃外国為替のディーリング業務というのは学生がやってみたい仕事のベスト10には確実に入っていた人気業務でした。(かく言う私もそんな学生の一人であった訳なのですが)
バブルという時代背景を象徴するような一面が確かにこの仕事にはありますし、映画やTVでもディーラーを描いた作品がいくつかありました。しかし、このプライムタイムのニュース番組で中継されるディーリングルームと言うのもこの学生人気にいぶし銀の如く貢献していたような気がするのは私だけでしょうか。
話が反れました。なぜ、プライムタイムのニュース番組でディーリングルームからの中継が度々為されたのか。多分番組ディレクターの狙いは二つあったのではないでしょうか。
一つは現場のディーラーから生の声を報道すること。
一つは当時インターネットの普及もまだまだだったので、刻一刻と変動する相場の動きをビジュアル的に映せるセットが欲しかった。それがディーリングルームだったということ。
折しもバブルに差し掛かった日本の東京市場は各金融機関がこぞって東洋一とか世界最大規模のディーリングルームを開設していました。金融機関としても当時の最高水準のディーリングルームをメディアに紹介することでその力を示す広告効果を狙っていたかもしれません。
バブルが崩壊し、不良債権処理と景気低迷にあえいでいた金融機関としては、さすがに当時のように箱モノにお金を費やす余裕なんてありませんから「新ディーリングルーム開設」なんて話はトンと聞かなくなりました。インターネットの普及に伴い限りなくリアルタイムに近い相場変動もTV画面上に映し出すことが出来るようになってしまいましたので、演出効果としてのディーリングルームの役目もスッカリ廃れてしまいました。
また、セキュリティー対策に非常にナーバスになっていますから銀行側としても広告効果のためにカメラをディーリングルーム内に入れること自体を敬遠するようになっているかもしれません。いずれにしても、あの当時のディーリングルームが某自動車会社のCMで人気者となったエリマキトカゲのように見えてしまうのはヤッパリ私だけかなあ。
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