TOP
コラムTOP
最新コラム
バックナンバー
2004年9月13日
■なぜ、シナリオを立てなくてはいけないのか
連載2回目となる今回は前回に引き続き、シナリオの重要性を書いてまいります。
前回書きましたが、シナリオのない投資は丁半バクチと同じです。それはもはや投資とは呼べません。
では、シナリオを描けば必ず儲かるのでしょうか?
かなり即物的な問いではありますが、誰もが心のどこかで思うことかも知れません。答えは明確で、必ず儲かるわけではありません。しかし、儲かる確率は高まることでしょう。
さらに、このシナリオ作りは人間の心理的な弱さの防波堤の役目も果たしてくれるのです。(とくに自分のポジションが含み損を抱えているようなとき)
例えば、
ドル円相場が120円のとき、ドルの買い持ちポジションを作ったとします。
損失限度を設定せずに相場が下落して119円まで来てしまいました。
相場は細かく上下動を繰り返しますから、「今手仕舞ったら損失だけが確定してしまう。
もしかしたらここから相場が反転して120円を超えていくかも知れない」あるいは「そこまで反転せずとも119円50銭くらいまでは戻って損失を半分に出来るかも知れない」と、自分に都合の良い場面ばかりが頭の中をめぐり始めてしまうものです。こうなるとどうしても決断が遅れますし、最悪の場合は決断すら下せなくなってしまうものです。ずるずると決断を先送りして損失額がいたずらに拡大し、新たな投資チャンスすら逃してしまうことになるのです。
はじめからシナリオをたてて、損失限度を設定していれば損失が確定しても自分のシナリオが間違っていたとその時点で頭の切り替えが出来ますし、新たな投資チャンスを追いかけることも出来るのです。
様々な外国為替証拠金会社のホームページで、「ポジションを取ったらストップロス(損切りオーダー)を注文しておきましょう」と推奨しています。その大きな理由の一つは前述したような心理状態からいたずらに損失を拡大させてしまうことを防ごうという投資家保護の観点からなされているのです。
そして話は戻りますが、このストップロスの注文を入れるためにはどうしても作ったポジションに対するシナリオ設定が必要となってくるのです。
Copyright (C) 2004 fx-newsletter All Rights Reserved